こどもの権利擁護委員会

興正学園では、施設を利用する全ての子どもたちの権利を守るため、そして子どもたちの最善の利益を追求していくため、「こどもの権利擁護委員会」を発足し、子どもたちの権利擁護に対して積極的に取り組んでいます。

「こどもの権利擁護委員会」は医師や大学教員、弁護士の先生方にご協力を頂き、子どもたちや保護者から施設に寄せられた様々な不服や要望に対して、子どもたちの権利が護られ、適切に処理が行われているかどうかを、委員会の方々に審査して頂くことを目的としています。

興正学園の子どもたちは全員、権利ノートというものを一人一冊ずつ持っています。権利ノートには、子どもたちの日常生活に添いながら、自分たちの持っている権利とはどういうものかや起こりうる権利侵害の例、そして実際に起こってしまった場合はどういった形で助けてもらえるのか、その方法について書かれています。

こどもの権利擁護委員会 審査員

秀島 ゆかり 先生
弁護士
万字 香苗 先生
弁護士
相場 幸子 先生
臨床心理士
松本 伊智朗 先生
北海道大学 教授
龍島 秀広 先生
北海道教育大学 大学院 准教授
油田 厚生 先生
札幌国際大学短期大学部 教授
栗山 隆 先生
北星学園大学 教授
  • こども権利ノート
  • こども権利擁護員会規約
  • 職員倫理綱領

こどもの権利擁護委員会に寄せられた
不服・要望は以下のとおりです

平成30年度 第2回目
平成30年第2回の不服・要望の申し立てはありませんでした。
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平成30年度 第1回目

事例1

主 訴
A(小6男子)が学校の修学旅行に行ったことを父親が知らず、旅行に出発する前日に電話で児童に言葉をかけてあげたかったと申し出があった。
処 理
修学旅行について、事前に施設職員から父親へ口頭で伝え、学校から配布されたプリントも父親へ渡してあったという背景があったため、出発前日に児童から父親への連絡はしていなかった。施設長からは、修学旅行出発前日に子どもから親に電話をさせるのは施設としての配慮であることを指摘され、今後はこれまで以上に密な連絡を保護者と心掛けることを職員に周知しており、父親へ謝罪している。
見 解
保護者への連絡については、事前に伝えているからわかっているだろうと思わず、子どもと親の関係を尊重するより丁寧な配慮が必要だという意見を頂いた。

事例2

主 訴
B(高校生女子)が、自分の生活するルームを担当する職員の関わりについての不服を、別なルームを担当する職員に訴えた。
処 理
ルームを担当する職員も当該児童から話を聞いていたが、ルーム内のことはルーム内で解決をしようと考えていた背景があり、児童からの訴えについて施設全体で把握できていなかった。
施設長からは、ルーム内のみで解決を図るのは閉鎖的な状況を生み出す危険性があること、児童が話したい職員を選択するのは自由であること、まずは児童からの訴えをルーム内できちんと受け止め、関わり方については職員それぞれが振り返ると共に、児童との関係作りを今一度見つめ直すよう指導されている。
見 解
ルームを担当している職員は当該児童の訴えを聞いてその都度対応していると捉えていたが、児童にとっては解消されていない問題であり、子どもの話を聞いて理解し合あうという作業は本当に難しいものであると、審査員よりお話を頂く。さらに、聞き方についても、子どもの年齢や発達状況に合わせて、職員側が対応を変えて行かなければ、子どもに通用しなくなり、子どもが納得できなくなるという意見も頂いた。  担当するルームだけでなく、児童の訴えが施設全体に周知されている現在の環境は、子どもの声が届きやすく大変良いことであるという見解を頂いている。

事例3

主 訴
外部機関から招待された登山行事内で、山の頂上にて休憩中に、C(小1男子)が一人で下山し、結果的に一般の登山者に保護されたという状況があった。
処 理
児童が見つかった時点で、招待行事を引率した職員より施設長へ状況を報告している。当日夜には施設長が当該児童から聞き取りを行い、また翌日には行事引率の職員を集め事情聴取を行ったうえで、今回の事故の要因について職員の危機管理の不十分さを指摘されている。
職員会議では、行事前に事前に職員で打ち合わせが行われていなかったこと、登山した山が幼児でも無理なく登れるような小さな山であったことから生まれた過信、引率体制など、行事全体に対する危機意識の低さについて職員全体の問題として共有された。
見 解
審査員の方からは、集団で行事を行うにあたって事前にグループ分けを行うなど職員間の役割分担が基本であることをふまえた上で、小さい子どもでも簡単に登れる山であるという認識の甘さ、年齢それぞれの体力や登山のペースを考えるなどの配慮の足りなさなど、過信が招いた事故であったとご指摘を受けている。
また、頂上に着いた時に点呼を取ったり、帽子やバッチなど同じグループだとわかるような目印を付けたり、心配な児童には連絡先カードなどを持たせるべきなどの対応が必要だったのではとご意見を頂いた。
施設長からは、グループホームの開設など施設の分散化によって生まれた集団のすきまも今回の要因の一つであると話され、職員へは改めて行事前の準備不足と個別対応の理解不足が大きいことを指導されている。同時に、ヒヤリハット報告書に今回の事故をまとめ、二度と同じようなことが起こらないよう、責任の所在を明らかにして今後の危機管理に活用するべきとご意見を頂いた。
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平成29年度 第2回目

事例1

主 訴
D(幼稚園女児)が外泊に出る時に、サイズが小さい靴を履いていると祖母より指摘がある。Dが足を痛がって外泊時に母親におんぶを求め、痛めていた腰をさらに悪化させることになった、との訴えがあった。
調査内容
外泊時にDを送り出したT指導員から祖母へ謝罪している。普段は長靴を履いていたため、その日に違う靴を履いていたことに気がつかなかったこと、新しい靴を母親が買って施設に戻って来ていたため、その代金を学園が支払うことを話している。
処理経過
保護者と施設の信頼関係が土台にあって支援が可能になるため、今後は気を付けるようにと施設長より、職員に話がある。

事例2

主 訴
T指導員が別件で母親に電話を入れた時に、祖母が電話を代わり、E(幼稚園女児)が職員に「輪ゴム」で髪を縛られとても痛がっている、ほどくときに特に痛がりかわいそう、髪ゴムを持たせるので今後はそれを使うようにと伝えられる。
また、施設から自宅に帰った際に、本児が薄手のジャンバーを着ており、母親が購入した冬物のジャンバーがあるにもかかわらず薄手を着させていることを同時に指摘されている。
調査内容
髪ゴムについては、「輪ゴム」ではなく小さい子の薄い髪を結ぶ用に売られている「髪ゴム」であった。Eもこれまで「痛い」と職員に訴えることはなかったが、母親、祖母の気持ちやEが自宅で訴えた気持ちを考慮し、違う種類の新しい髪ゴムを購入している。
ジャンバーの件については、自宅に戻るときに対応したS保育士の配慮が足りず、Eが自分で選んだ薄手のジャンバーをそのまま着させ、もう寒いからと冬物のジャンバーに取り換えずに外泊に出してしまったことを謝罪している。
処理経過
髪ゴムについては小さいゴムを使わないことをルームの中で徹底し、新しいゴムを購入して使うことでその後の訴えは聞かれていない。
ジャンバーの件についてはEの過ごすルームを担当している職員3人から、配慮が足りなかったことを母親に謝罪し、今後は気を付けるように話している。
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平成29年度 第1回目

事例1

主 訴
A(高校生女子)の携帯電話が3カ月以上、職員が預かったままの状態でいたことがわかり、実際に預かった当時の担当職員、新年度になり引き継がれた新しい担当職員2名へ施設長より指摘がある。
調査内容
Aは自分と同じ当時中学生の女子Bに自分の携帯電話を貸し、Bはその携帯電話を使用してトラブルを起こしていた。それがきっかけで、施設全体で中学生の携帯電話使用について子どもたちと職員で話し合い、その結果中学生の携帯電話の使用を一時期使用中止にしていた。
 このような経過の中で当時Aの担当であった職員は返却時期を検討せず、その後新年度になってAを担当する職員も変わったが、新担当も返却時期については検討せずそのままにしていた。
処理経過
施設長より指摘を受け、すぐに前担当と新担当がAと話をしている。前担当から携帯電話が職員に預かられた経緯を今一度振り返り、反省と今後の約束を再確認した後、携帯電話を返却している。
今回の件については、新しいルームの担当に引き継ぐ前に旧担当から振り返りを行うべきだったこと、より早い時期にAに携帯電話を返却する時期を検討するべきだったと関わった職員は反省している。A自身が携帯電話を返して欲しいと言える子どもではないため、職員からの働きかけを怠り、結果的に権利侵害につながってしまった。施設長からは権利擁護を日頃から意識するケアを行うことの指摘を受け、職員の間で再確認し合った。

事例2

主 訴
新しい地域小規模児童養護施設(以下、グループホーム)を開設することになり、B(小学生男子)を本体施設からグループホームに居住を移そうと思っていることを母親に連絡をするが、Bの住む場所を移すことは絶対に反対であると話す。
調査内容
母親は高校を卒業するまでBを興正学園に預けたいと考えていた背景もあり、副施設長から母親へ、グループホームのほうがより家庭的な生活空間であることと、B自身がグループホームへの移動を強く希望していることを説明したが、母親は移動を反対し続けていた。数度説明の機会を設けたが、母親の意向は変わらなかった。
処理経過
施設長と母親が話し合い、今回は母親の思いを尊重し、本児の転居はしないことになった。Bには施設長から今回の経緯を説明し、Bがグループホームへ移動できなくなり、Bの希望通りにいかなかったことを謝罪すると共に、本体施設で本児の生活が快適に送ることができるよう、最大の配慮をすることを約束する。

事例3

主 訴
道路の雪が解けた時期の連休中に、子どもたちと職員で自転車の使用に関する約束事を話し合った後、連休明けから自転車を乗れるようにすると、C指導員から子ども達に説明していた。しかし、連休が明けて4日経っても自転車の話し合いが行われず、子どもたちからいつ話し合いをするのかという話を聞き、H指導員が施設長に報告する。
調査内容
話し合いを予定していた日と翌日の2日間、C指導員は別件が入り子どもたちと話し合いができなかった。その翌日は天候が雨だったので子どもたちと話し合いを行うことができなかったと施設長に説明をする。施設長より早急に対応するようにC指導員に伝え、C指導員は翌日すぐに子どもたちに謝罪し、自転車の話し合いを行った。
処理経過
どのような状態であっても子どもとの約束を最優先に守るべきであり、特に自転車は、楽しみにしているので本来は約束をした日にすべきであったと施設長より話がある。また、話し合いは天候に左右されるものではないということを指摘されている。どうしてもC指導員が話し合いをできない場合は、他の職員が変わって行うことも必要であったと施設長より職員に話があり、今後の対応について職員間で確認し合った。
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