第3話 子の芽、親の眼

ある日突然、"自分でやりたい"との自我が芽生えてくることは子どもの成長過程でいくつもあると思います。

『ぼくひとりでねられるよ』という山本まつ子さんの絵本の中では、3歳頃の男の子がある日「もうひとりでねられるよ」と自信満々にお母さんに宣言します。でも最初はなかなか眠れず、何か理由をつけてはお母さんの前をうろちょろして、一人で寝ることへの戸惑いが感じられます。お母さんの方も子どもの頑張りを見守ろうとはするものの放ってはおけず、助け舟を出しそうになります。しかし、お父さんが手助けしようとしている母親の服の裾を引っ張り、もうちょっと待ってみようといった態度を示すことでお母さんもなんとか我慢し、その様子を見守ります。そのような父母の温かなやりとりを知ってか知らずか、その子は、大好きなぬいぐるみ達を仲間に一人で眠りにつくことができました。

毎日忙しいお父さんお母さんにとって、この話のように子どものリズムに毎回我慢強く付き合うのは至難の業ですが、それを子どもと一緒に乗り越え親子で達成感や満足感を共有し、できたことを喜びと感じられたら子育てもより楽しく思えるような気がするんです。

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