第7話 夏の思い出

今年の夏は記録的な猛暑が続き、夜も寝苦しい日々が続きましたね。

ある2人の子どもをもつ母親は、2歳になる下の子が毎晩キーキー声で泣き叫んでいたため、対応に疲れ果てていました。子どもがどうしたいのかわからず、いらいらしながらも、何とかなだめすかし、精一杯対応していました。しかしこんな状態が続くと、母親は猛暑の中、寝不足の上、段々自分だけが頑張っているのに誰も助けてくれないと思うようになって、家族の中で勝手に孤立したような辛い気持ちになっていきました。

そんな日々のある日、いつものように下の子が泣き叫んだ翌朝、弟の泣き声で夜に目を覚ましていたお兄ちゃんが突然「ママ、夜起きてくれてありがとうって…」と弟の気持ちを代弁するように言いました。お兄ちゃんのことを最近は何でも真似するようになった下の子も『ママ、ありがとう』とけろっとした表情で母親に伝えました。そのあっけらかんとした一言に思わず笑ってしまった母親は、張り詰めていた気持ちが緩み、2〜3日後、子どもの泣き叫びは、暑さの中で「牛乳飲みたい!」との訴え、「あせもが痒い」ことへの苛立ちだったことに気づく余裕につながりました。そして、こんな大変なことも涼しい秋になってみれば暑い夏の思い出となったようです。

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